2019年2月後半の読了本リスト

「賞味期限のウソ 食品ロスはなぜ生まれるのか」 井出留美
「知性は死なない 平成の鬱をこえて」 與那覇潤
「「研究室」に行ってみた。」  川端裕人
「勝間式 超コントロール思考」 勝間和代


「賞味期限のウソ 食品ロスはなぜ生まれるのか」 井出留美

恵方巻など、食品ロス問題を時々目にするようになってきたので、全体感をつかみたくて買いました。
日本の食品ロス632万トンのうち、約半数(302万トン)は消費者由来、残り(330万トン)が、飲食店や食品メーカー、販売店など事業者由来。
半分は私たち消費者の直接的な食品廃棄、残り半分も、結局は私たちが購入したり外食する際の行動が原因なのだそう。

だから、食品ロスを減らすためにやるべきことは、スーパーやレストランを非難することではない。消費者個人で買い物の際にできる対策等がたくさんあり、それを消費者として各人が実施していくことが効果を出す、という極めて真っ当な論を丁寧に展開しています。「消費者として自分が何をすればいいのか」が明確に提示されているのでとても良かったです。

消費者が動きを変えれば、消費者のぶんだけではなく・事業者にも影響を及ぼすことができる。それは消費者にとって、個人でできることが現実を変えられるという希望であり、個人でやらねば現実が変わらないという責任でもあります。本書で得た知識を使って、今後食品をムダなく取り扱おうと思います。
あとは著者が指摘していた通り、買い物の仕方や、食べられるものの見分け方は、義務教育の家庭科の授業にぜひ盛り込みたいです。食べ物の栄養の勉強や、簡単な調理やお裁縫と同じように、買い物の仕方や食べられるものの見分け方は、十分実践的で役に立つ知識でしょう。

 


「知性は死なない 平成の鬱をこえて」  與那覇潤

大学教授であり「中国化する日本」で話題にもなった著者。その著者のうつ病経過に関する本ということで、なんとなく心配をしつつ手に取りました。
前半の、うつ病の症状、社会がうつ病にたいして持っている偏見に関する部分は、著者が実際にうつ病の患者として見聞きした体験なので、とてもリアリティがありました。偏見には自分でも思い当たる節があり反省する次第です。

著者は、自分に起きたうつ病の経過で、 能力が低下し、能力低下を自覚し、自分には価値がないと思うことで生きる気力が失われる、と述べていました。確かに、もし、自分で自らの価値だと思っている能力が失われていく、という体験をしたら。自分自身の価値そのものが失われていくような、強烈な喪失感に襲われて、生きる気力が失われるというのもわかるような気がします。

後半は、 知性の象徴である大学の中で著者が見聞きした、知性の敗北と呼ばざるを得ない様々な事例、世界で知性主義が敗北してきたという近代20世紀の歴史を挙げて、知性の敗北とこれからの展望について語っています。
著者が勤めていた大学での様々な事例は、大学にある程度の敬意を払っていた私にとっては相当にショッキングでした。社会全体で知性が敗北する趨勢にあるなかで、大学も例外ではないことが、内側から暴露されてしまったわけで。
ただ、大学を退職した著者が、大学の外にも知性ある対話ができる場がある、と理論や希望的観測だけでなく、自らの経験に基づいて最後に述べてくれています。それが、著者ご本人と、この知性の敗北した社会で生きていく私たち、両方にとってのパンドラの箱に残った希望のように感じます。

 


「「研究室」に行ってみた。」  川端裕人

研究者とは何をしているのか、どんな経歴の人がいるのか、理系研究者数人にインタビューした内容をまとめている本です。中学生や高校生でこれを読んでいたら、こういった、普段なかなかメディアでは取り上げられない、接することの少ない分野を目指すきっかけになるのかもしれませんね。
中高生以外にも、一般の人に研究者の実態を知ってもらう、ひいては研究への費用投下への理解を進める助けになるんじゃないでしょうか。本書のようなコンセプトで、文系研究者編もあったらいいのに、と思います。

 


「勝間式 超コントロール思考」 勝間和代

いつも通り、勝間節全開の本です。自分はどういう原則に沿って、具体的に何をどうやっているのかを、仕事・家事・健康面と幅広に説明してくれています。
仕事だけでなく、生活面(家事など)にもかなりページを割いており、家事と仕事の両立に悩む人にも役に立ちそうです。ただ、勝間さんが自分のことを語る本にはだいたいそうなのですが、良くも悪くも極端な例です。まるまるマネするというより、最先端技術での見本をみるような気持ちで読むのが精神衛生上よろしいかと思います。要は、完全コピーはできないけど、いろいろ参考になります。

面白かったのは、本書で「(仕事をする際)置かれたところで頑張ろうとせず、自分に向いたところで頑張れるようにしたほうが良い」と勧めていたこと。これは橘玲「もっと言ってはいけない」でも提示されていました。日本社会の現場を知る超リアリストである、勝間和代さんと橘玲さんが口をそろえて同じことを言っているというのはなかなか示唆に富んでおります。

2019年2月前半の読了本リスト

冊数少なめですが、こんなときもあるさ、な今回。行ってみましょう。

「サカナとヤクザ ~暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う~」鈴木智彦
「もっと言ってはいけない」  橘玲
「だから私はメイクする」  劇団雌猫


「サカナとヤクザ ~暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う~」 鈴木智彦

「アワビもウナギもカニも、日本人の口にしている大多数が実は密漁品であり、その密漁ビジネスは、暴力団の巨大な資金源となっている」という実態を、ルポライターの著者が、築地市場や密漁の当事者に体当たり取材して、生々しく描写しています。

密漁品がこれほど多く(上記の品目では半数近いものもある)出回っており、それに暴力団が深く関わっているということ自体がかなり衝撃的でした。
しかもそれらは、堂々と市場で卸され流通に乗ったり、観光市場で売られたりしている。これほど密漁品が横行する原因は、規制の問題もあるけれども、需要があるため高値で売れる、という実態あってのこと。消費者である自分も決して無関係ではないのだと思い知らされました。

ウナギの絶滅危惧種指定と、漁獲量、輸入量についても詳細が記載されており、そのあたりをきちんと知りたい人にもお勧めです。とりあえず本書でも提示されているように、少しでも保護につなげるためウナギは専門店以外では食べない(スーパーやコンビニで買わない)ことに決めました。


「もっと言ってはいけない」 橘玲

知識社会の仕組み、遺伝の中でも特に人種や性別などについて。様々な「残酷な事実」である知見を紹介しています。
前著「言ってはいけない 残酷すぎる真実」が、遺伝・外見・ 教育、といった関心ある人が多いトピックについて述べていたのと比べると、本書は、キャッチーさ、わかりやすさを代償とした代わりに、より深く掘り進めた続編だといえるでしょう。

前著からメインテーマとして通底しているのは、リベラルが世界中で掲げてきた「人間は誰しも平等で、努力すれば必ず報われる」という主張は、実は様々な学問分野で正しくないことが証明されている、ということです。
著者はこれを、純然たる科学的な事実として伝えており、それ以上踏み込んだ意見等は述べていません。科学的に証明された事実に、自らの解釈を加えることは、あえてしていないのでしょう。
これらの新しい、しかし受け入れがたい知見をもとに、いかに「平等であること」を考えるのか、「残酷な社会」に対してどのような対策を立てるのか、それを求め考えていくことを、読者に問いかけているだろうと思います。

学問的に証明された現実がどれだけ残酷で厳しいものだとしても、正しい現実認識をまず持たなくては始まらない。正しい現実認識がまず出発点だ、という点においては、「 ファクトフルネス」と本書とは、方向性は正反対であれど同じ認識のもとに書かれた本だ、と言えるのかもしれません。

 


「だから私はメイクする」 劇団雌猫

「浪費図鑑―悪友たちのないしょ話―」の続編に当たる本書も、面白そうなので買ってみました。『さまざまなジャンルのおしゃれに心を奪われた女性たちが、ファッション・コスメへの思い入れや、自身の美意識をつまびらかに綴り、それぞれが「おしゃれする理由」を解き明かす匿名エッセイ集』(本書紹介文より)です。

様々な立場の、様々な意見の、様々なメイクの女性達の綴った言葉を読んで感じるのは、女性が「メイクする」( 本書では、化粧だけではなく、髪型、服装も含めています) のは、社会に対して自分はどういう立ち位置を取るか、という問題と切っても切り離せない関係にあるのだ、ということです。
自分はそうではないんだけれども、その気持ちはよくわかる、というケースが「浪費図鑑」に比べてかなり多かった気がします。例えば「会社で周りの男性に、自分のメイクやファッションについて無神経に批評めいたことを言われ、それがいやなので、会社では地味で目立たないようにして、会社が終わったら自分の好きな格好をする」というケースなど。自分ではそういった経験はないのですが、もし周りから同じように言われていたら、同じような行動に出ていたかもしれないな、と共感してしまいます。

もしも女性のメイクや服装に、無神経な発言をする人がいたら(男女問わず)、本書を差し出すか叩きつけるかするといいかもしれません(冗談です!)。
少なくとも、女性が身繕いをする、おしゃれをする、という裏には実に様々なものがあるということは、本書で実感できると思います。

2019年1月後半の読了本リスト

「老いた家 衰えぬ街」 野澤千絵
「FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」 ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド
「貧困を救えない国 日本」 阿部彩、 鈴木大介


「老いた家 衰えぬ街 住まいを終活する」 野澤千絵

前著「老いる家、崩れる街」は、都市計画や住宅政策をどう見ればいいか、実態は今どうなっているかというのを、 一般にわかりやすく説明していました。
本書はそこからより具体的なレベルに進み、新聞などでも目にするようになってきた「空き家問題」の実態を説明し、具体的な対応策を提示しています。

対応策は、自治体やNGOといった組織・政策レベルでやることと、 個人のレベルでやることとがバランスよく盛り込まれています。マクロとミクロ、いずれの立場で読んでも得るもの多くおすすめです。

防災・減災の観点からも、 土砂災害などのリスクが高く居住に適さない土地では、計画的に土地利用を止めていく ことも必要

この著者の言が印象に残りました。日本の近代人口増加の過程で、居住リスクが高い、洪水や崖崩れが起こりうる地域も、宅地指定し住宅を建てていたケースが結構あります。
また「防災・減災の観点での計画的な土地利用の停止」は、人口減少によりそもそも住宅が減っていく地域での、緩やかで住民にも受け入れられやすい対策としても価値が見いだせそうえす。どこの村や町でも、自分たちの集落や町をなくすことに、前向きにはなれないでしょう。でも自分の家族や近所の人が減る中で、防災の観点から、相続などを機会にリスクの低い所に引っ越しするというのなら、心理的なハードルはかなり下がるのではないかと思います。

 


「FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」
ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド

言わずと知れた(?)ベストセラーです。世界の見方や認識が、事実と異なる人があまりにも多いことに気づいた著者が、それらの事実を伝えると同時に、10の思い込みという観点から説明をしています。

本書は、ダニエル・カーネマンの「ファスト&スロー」の実践編、人間の持つヒューリスティクスを世界の認識という事実側から検証した本、 といえるでしょう。

本書冒頭の「チンパンジークイズ」で、自分の世界の認識が、いかに実態と異なるかを実感します。そしてその原因であるヒューリスティクスがどのようなものなのかをじっくりと追って行くのです。考え方が変わる、パラダイムシフトが起きた、そんな感覚を得られます。

さらに世界の状態と人間の性質について理解した後、つまり本を読み終わった後に、具体的に自分たちはどう振る舞うべきなのか。それについてもよい塩梅の抽象的に提示しています。それは「全世界レベルの事実を、正しく認識する。それに基づいて日々の生活を送り行動する」という大きな指針です。

Post Truthと呼ばれる今だからこそ、知っておきたい、読んでおきたい一冊です。

 

 

「貧困を救えない国 日本」阿部彩、鈴木大介

経済・社会政策の面から子どもの貧困を取り上げてきた大学教授と、「犯罪する側の論理」「犯罪現場の貧困問題」をテーマに、裏社会・触法少年少女らの生きる現場の取材を続けてきたルポライターによる、日本の貧困現状についての対談本です。

 

貧困は近年メディア等で報じられるようになってきてはいます。しかしメディアが報じる内容を受けた一般の認識と、二人の知る貧困の現場とは、まだ乖離が大きいことを、具体例や統計数値などを挙げながら指摘し、対応方法を忌憚なく話し合っています。
対談形式なので、知識があまりない側からしても読みやすかったです。

印象に残っているのは、貧困者に対する無理解・差別など、単にお金をあげるだけでは解決しない問題が、貧困者の周りにはまだまだ山積している、ということです。具体的な事例は、本書にたくさん挙げられているのでそちらを見ていただきたく。

ベーシックインカムの推進論のひとつに、お金をあげれば解決する貧困が、ベーシックインカムでは解決できるというのがあります。それは間違っていません。しかしベーシックインカムがあれば貧困対策は終わるわけではない。むしろ社会福祉としてはベーシックインカムが行き渡ったところでそこからこぼれてしまう人々をどう支援するかが求められているのだ、と強く感じました。

電子書籍を読む端末(Kindle paperwhite推し)

電子書籍を読むに当たっては、メインとサブ端末2つを使っています。今回はその詳細をご紹介。なんといってもKindle paperwhiteを強力に推しております。

メイン端末は、Kindle paperwhite(キンドルペーパーホワイト)第7世代 です。

機能は、この3つが特徴です。

  1. バックライト付き 
  2. 容量は4G(少ない方) 
  3. Wi-Fi接続 

1.のバックライト(内蔵ライト)は必須です。これがあれば周りがどんな明るさであろうが本が読めます。
2.の容量は、コミックを大量に入れると物足りないかもしれませんが、画像が少ない一般書籍なら100冊程度は軽く入るので問題ありません。 
3.のWi-Fi接続は、4G回線接続機能がないということです。私の場合、Kindle書籍自体はスマートフォンのブラウザでamazonサイトから購入することがほとんどで、回線接続がほしいと思ったことは全くありません。
ちなみにiPhoneのamazonアプリでは、Kindle書籍は購入できません。アプリから購入すると、AppleやGoogleにマージンを抜かれるので、それを嫌ってブラウザに誘導しているということなんでしょう。

私のKindle paperwhite端末は、2016年に12,000円弱で買いました。
一般書籍約100冊の収納+読書メモを取る時間・手間の短縮(詳細はこちらの記事)のメリットが大きく、私にはすごくいい買い物でした。壊れない限りは買い替える必要もありません。
現在は最新機種しか買えないようですが、セール時(2018年12月サイバーマンデー)には最新機種も9,980円まで価格を下げています。

 

電子書籍を読むサブ端末は、iPadです。
具体的には、個人的な大きさと重さ機能のバランスから、iPad miniを愛用していますす。

別にiPadでなくても、Kindleアプリが使えるタブレット端末ならなんでもいいと思います。主に固定レイアウト方式の書籍や写真が重要な書籍、コミックを読むための端末です。
固定レイアウト方式の書籍の場合、Kindleのメモ・ハイライト機能が使えないので、タブレット端末のスクリーンショットを取ることで、メモしたい部分を残します。
固定レイアウト方式の書籍は、数式を多数記載する数学関連の本や、レイアウトやデザインに関する本でときどきあるので、やはりあると便利なのです。
コミックをタブレット端末で読むのは、単純にKindle  paperwhiteよりも絵がキレイ(画面の解像度が高い、カラーで見られる)なのと、端末の容量が大きいからです。見開きで読むなら横、1ページ毎で読むなら縦と、なんとなく気分で使っています。

 

タブレットがあれば、Kindle paperwhiteで読める書籍も問題なく読めるのですが、それでもKindle paperwhiteはぜひおすすめです。主なメリットは以下2つです。

・タブレットよりも軽い(180g程度)かつハードカバーとほぼ同じ大きさ
・機能が少ないため、充電が1週間単位でもつ
これらのおかげで、外出するときなどに気軽に持ち出せます。
外出時の荷物はなるべく少なく軽くしたいので、このミニマムさと充電管理の簡単さはとてもありがたいです。長時間本を読んでも腕が痛くなったりもしません。

・本しか読めない
意外と重要です。スマートフォンだとついSNSを見てしまったり、通知が来てそちらに気を取られたりしてしまいがちなので、単機能デバイスのKindleのありがたみを感じます。

 

2019年1月前半の読了本リスト

「50(フィフティ) いまの経済をつくったモノ」 ティム・ハーフォード
「蟻と蜂に刺されてみた」 ジャスティン・O・シュミット
「0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる学ぶ人と育てる人のための教科書」 落合陽一
「ロード・エルメロイII世の事件簿9 case.冠位決議(中) 」三田誠

良い感じにジャンルがばらけました。これくらい雑ジャンルで乱読していくのが好きなんですが、いつもそうはいかないですね。
従来利用していた本のリンクサービス(ヨメレバ)が一部サービス変更したため、試行錯誤で今回はamazonリンクを使用しています。
もっと書影が大きくてアフィリエイト感がなく、Kindle購入にもリンクできるサービスはないものでしょうか。ないものねだりでしょうか。


「50(フィフティ) いまの経済をつくったモノ」
ティム・ハーフォード

発明を50あげ、それらについて1つずつ説明を加える、オーソドックスな構成の本です。日経新聞の書評欄で見かけて買いました。
本書で特徴的かつ面白いのは、発明されるまでではなく、発明されたモノが「その後どのように世界を変えていったのか」に焦点を当てて描かれているところ。
発明から数年から数千年以上経った今現在でなければ分からない、社会的影響について考察されています。

その特徴がよく現れているのが、iPhoneの項目です。本書はiPhoneを、スティーブ・ジョブスの作ったモノとして紹介するのではありません。iPhoneは17の重要な発明を含んでおり、それらの発明すべてが、技術として成熟する過程でアメリカ政府の関与を受けていたのだとし、それらを説明しているのです。
このように発明(技術)が、はるかな過去から連綿と積み上げられており、いまの経済ができあがっている。私たちが新しい発明と認識しているものも、その積み上げの恩恵の上に成り立っている。本書を読み終わると、とても腑に落ちるようになります。

 


「蟻と蜂に刺されてみた」 ジャスティン・O・シュミット

2015年のイグ・ノーベル賞に選ばれた、ハチやアリに刺された痛さを示す「シュミット指数」。名前からもわかるとおり、著者が提唱者本人です。
本書ではその「シュミット指数」の詳細がわかります。巻末には全シュミット指数リスト(著者が刺されたハチとアリのリスト)も掲載。詳細読んでるとむずむずしてきます。
構成は、前半と後半に分かれています。刺針昆虫(刺す針を持っている昆虫をこう呼ぶのだそうです)全般の理解に役立つ背景知識や理論を紹介。後半では刺針昆虫をいくつかのグループに分け、グループ毎に詳しい説明をしています。

研究者にはよくありますが、著者もハチやアリをこよなく愛しており、刺されても噛まれても全くへこたれることなく、まだ自分の会ったことのない(=刺されたことのない)種を求めて世界中のさまざまなところにとんでいきます。先日読んだ「昆虫こわい」(著:丸山宗利)とほぼ同じですね。いや、国と研究種が違うだけで同じ昆虫学者なので、同じなのは当然なのかもしれません。
単純に、知らないことを知るのはとても面白くて楽しい、ということを思い出させてくれる本でした。

 


「0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる学ぶ人と育てる人のための教科書」 落合陽一

タイトル通り「学ぶ人と育てる人」のための教科書、でした。
社会人や大学生(学ぶ人、といって思い浮かぶターゲット)に向けた本でもありますが、 子供の教育方針についていろいろと語られてもいるのです。今まで著者の本で子育てに関する話はあまり見たことがありませんでしたが、これがなかなか面白い。
内容も納得できるし、適度に具体的で、適度に抽象的なので、育児方針として取り入れやすそうです。

たとえば、習い事をたくさんさせる代わりに、様々な家庭教師に自宅に来てもらう。ネットがあり人間関係が作りやすい現在では、習い事と家庭教師の金銭的コストはあまり変わらないのではないか、とあり目から鱗でした(実際に調べてみると、出張ピアノ講師のサービスなども割と充実しているようでした)。

 


「ロード・エルメロイII世の事件簿9 case.冠位決議(中)」 三田誠

いや、ここまで1エピソード上下巻でやってきたシリーズなんですが、ここにきて上中下3巻になりました。
真ん中の巻なので、最終巻の盛り上がりに向けて、 着々と下準備が進められています。中だるみ感がないのは、さすがといったところでしょうか。最終巻が楽しみです。

読書メモの取り方 -Kindleハイライト、Google音声入力のススメ-

1.読書メモを取る目的、大まかな構成

読書メモを取る目的は、読んだ本の内容や感想の記録を残しておくことです。

私には読んだ本の全部を記憶する能力はありませんし、ひどい時にはその本を読んだかどうかすら忘れてしまうこともありました。なので、読んだ内容の記録をなにか残したい、というのが最初の思いです。

ちょうどその時読んだ「読書は1冊のノートにまとめなさい」(著:奥野宣之)で提唱されていた、ねぎま式メモの形式で作成をはじめ、現在に至っています。
ねぎま式メモとは、おおざっぱにいうと「●本文抜き書き→★考えたこと、気づいたこと」というように、「客観」と「主観」を互いちがいに書いていくメモ方法です。

ちなみに、2010年から読書メモを取りはじめ、2018年末時点で765冊記録を取っています。タイトルとざっとした感想だけになっている時期も散見されます。。

ねぎま式メモを読書記録に使う場合は、「書籍本文の抜き書き」と「その抜き書きへの感想・コメント」を互い違いに書いていきます。

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2018年12月後半の読了本リスト

「ビジネスモデル2.0図鑑」 近藤哲朗
「あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続」 宮部みゆき
「TRUST 世界最先端の企業はいかに〈信頼〉を攻略したか」
レイチェル・ボッツマン
「ユーチューバーが消滅する未来」  岡田斗司夫

TRUSTが例によって分厚かったですね。一番分厚いのは宮部みゆきですが、小説は分厚くても問題ないので。

 

出版が2018年11月ですね。社会人必携のリファレンス用図鑑です。(図鑑なので自宅においてパラパラみるイメージ)
見開き1ページで1企業(ビジネスモデル)を紹介しており、本書を眺めるだけで面白いビジネスモデルを持っている企業を100個知ることができます。利用してみたいなと思うサービスもたくさんありました。近所の本屋で偶然見つけてよかったです。リアルな店舗はこういうことがあるからやめられません。

昨年は、「GAFA」「Amazon」など1つの企業(ビジネスモデル)について分析を加える本が出版され話題になりました。こういった本は、複数冊読むのにはなかなか時間がかかります。あまり自分が求めていたことが書いていなかった…というミスマッチが発生したりするとなお悲しいものです。
まず世の中にこういったビジネスモデルが既に存在することを知るためには、本書はとても良い入門図鑑です。
また、本書は冒頭で、ビジネスモデル図の切り口として「ソーシャル、ビジネス、クリエイティブ」という3つの観点を使うことや、具体的な図の作成ルールが丁寧に説明されています。本書内のビジネスモデルを読む手引きだけではなく、読者が今後自分で本書にあるようなビジネスモデル図を作成することができるようになっています。

図鑑として眺めるもよし、ビジネスモデルを作成して生かすもよし、応用方法がたくさんあり多くの方におすすめしたい本です。

 

 

タイトル通り、三島屋シリーズ5冊目です。相変わらずなかなかの切れを見せる個別中編が続きます。さらにシリーズ上の大きな動きとして、聞き手役が交代します。
宮部みゆきは本シリーズの他にも「人の業」と「怪異」とを結びつけた作品を多く発表しており、「人の業」をメインモチーフにした作品、「怪異」をメインモチーフにした作品の両方があります。本シリーズは「人の業」がメインに据えられており、本巻では特に冒頭の「開けずの間」でそれが顕著です。げに恐ろしきは人の業。

百物語がモチーフになっているので100話まで本シリーズは続けたい、と著者が別書籍掲載のインタビューで述べており、まだまだ続きが楽しみなシリーズです。

 

 

現在までの「信頼」のあり方と、今後について分析した本です。
「ローカルな信頼、大規模制度への信頼、分散された信頼」 の3つに分けています。そして現在、「制度への信頼」から「分散された信頼」への移行が起こっており、その具体例がトランプ大統領の台頭やブレグジットなのだと著者はいいます。
人が何を信頼するのかは近年大きく変わってきた、という感覚が私自身にもあり、信頼の歴史とその解説は面白かったです。後半部分のAIへの信頼、今後の未来予測は、前半よりも少し切れ味が鈍った印象でした。

ちなみに、サブタイトルは、最先端企業信頼攻略について述べているようにつけられていますが、あくまでこの手の本によくある詳細な具体例としていくつかの企業が取り上げられているだけです。 企業分析をしている本ではないので、その点はご留意いただければと思います。

 

 

ユーチューバーの話をするのではなくて、今後の社会がどうなるかという未来予測。「評価経済」など、この人の未来予測は意外と当たります。今回もなかなか面白い。 エンターテインメント、特に YouTube 関係に関しては具体的に踏み込んでいるので、その辺りに手を出している人には特におすすめしたい本です。

ただしエンターテイメント以外の事項は少し掘り下げが浅い印象です。本書はいろんなところで著者が話した内容をまとめているという作られ方をしているので、仕方ないのかもしれません。もっと掘り下げて面白い分析を加えられる著者なので、今後、本書内容を熟成させた新しい著作が出るのを楽しみに待ちたいです。

2018年12月前半の読了本リスト

「昆虫こわい」 丸山宗利
「情報生産者になる」 上野千鶴子
「新しい二世帯「同居」住宅のつくり方」 天野彰
「夫婦の家」 天野彰
「スレイヤーズ16 アテッサの邂逅」 神坂一

以上5冊。先月の反動か気楽に読む本が多かったですね。昆虫と論文と住宅と思い出。

2018年は夏休み子ども科学電話相談の虫部門担当、 国立科学博物館の昆虫展などで、著者の名前をよく見ましたので、一度著者の本を読んでみようと思いました。写真の昆虫は色も綺麗なので、ぜひカラー版をお勧めします。

研究対象(昆虫)が好きでしょうがない研究者による、面白エッセイです。 研究対象に過度の思い入れを寄せ「ない」研究者の面白エッセイである「鳥類学者だからって鳥が好きだと思うなよ」となんとなく比べながら読んで楽しかったです(特に採集時のテンション)。エ読み物としての面白さだけでなく、昆虫のきちんとした学名や収集場所の詳細も載っていますので、昆虫ガチ勢な皆様(?)にもきっとご満足いただけるのではないでしょうか。

著者の主な採集標的はハネカクシとツノゼミです。昆虫展でハネカクシとツノゼミの展示を見ることができましたが、それまでは間違いなく知らなかった昆虫でした。展示でも思いましたが本書内の写真を見ると、ツノゼミって本当にいろいろな奇想天外奇天烈なカタチをしています。

人があまりいない地域に行って様々な種の採取を行う、昆虫学者はやはり現代の冒険者です(小笠原に向かう鳥類学者もそうでしたが)。ただ、原生林は生物種がそれほど多くなく、ほどよく開かれた森に多種の昆虫が生息しているそうで、それもなんだか面白いところだなと思いました。

 

 

東京大学上野ゼミでの実践に基づく、論文の書き方・レビュー・コメント方法を詳細に説明する本です。著者は、タイトルにある「情報生産」の一つの合理的な完成形を「論文」においており、その詳しい方法を説明しています。

あとがきにて著者は、本書の方法論は「論文」に限って間口を狭くするのではなく、広く一般にも開かれる「情報生産」と位置づけたいとしています。

しかし、最初から6割がたまでは論文を「書く」方法論の説明です。そのため、論文をこれから書く予定はない読者である私は、本書を読む意味を疑い、正直途中で脱落しそうでした。

ところが14章以降の内容は、一転し、論文を書かない立場からしてもかなり興味深い内容です。論文ではなく、およそ一般的な文書(プレゼン含む)の場合にも、どんなことを考えて読むもしくは聞けばよいのか、自分の疑問をどう整理して向き合えばいいのかが、明確に、そして易しく説明されているのです。

本書は、どんな立場の読者であっても、最終部分はとても面白く、タイトルに沿ったと判断できそうな内容です。しかしそこにたどり着くには、タイトルから連想されるとは少々異なりしかも長い「論文の書き方説明」を越える必要があります。

タイトルをきっかけに本書を読んでいった私は、ちぐはぐな印象を受けました。

本書名を「論文の書き方・コメントの仕方」としたくない著者の意図はわかります。でも、タイトルを一部変える・本書構成についてあらかじめ説明するなどの方法で、読んでいる途中に混乱しないように工夫をしたら、本書はもっと楽しく、挫折しそうにならずに、読めたと思うのです。

終盤の内容が面白かっただけに、よけいに惜しいなと思う1冊でした。

 

 

いずれも、戸建て住宅を設計してきた建築家による、戸建て住居を建てる際のアドバイス本です。以前放送されていたテレビ番組「劇的ビフォーアフター」をよく視聴していたことを思いだしページをめくってみたところ良さそうなので読んでみました。家を建てる予定が全くない私にもとても面白かったです。

二世帯同居住宅の個別ケース(間取り図などの説明付き)を紹介しつつ、本書は進んでいきます。まず面白いのは、住宅を設計する過程が、親世帯・子世帯という独立した生活スタイルを持っている2世帯が、どうやって共存するのかを探る過程となっていることです。
住宅を設計するとは、家の中で家族がどう生活するかを想定してもらい、それに併せて構造や間取りを提案し決めていくことである、と著者はいいます。
そのため、特に二世帯同居住宅においては、親子それぞれの世帯の生活の共有・個別部分を明確にし、親子世帯がどのように関わって生活するのかを、住宅の設計時点できちんと整理する必要がある。そうでなければ、 住宅が完成し生活を開始した後に問題が噴出し、結局その住宅での暮らしが良いものにはならないのだそうです。

それで結局どうなるのかというと、建築家である著者が親子それぞれの様子をうかがい、時にはなだめすかして本音をなんとか聞き出しつつ、同居住宅のアイデアを出していくのです。これが、家族ごとに、生活時間帯の違いや騒音、親子の距離感などといった色々な問題がホームドラマのごとく展開されております。

そしてそれらの親子のいざこざを、間取りや機能でなんとか工夫して著者が解決しようとする。面白い1話完結ホームドラマを見ながら、住宅について詳しくなれる、そういった娯楽的に楽しませてもらいました。

 

 

その昔リアルタイムで読んでいたシリーズのため、当時の読者ホイホイされました。

著者も当時から別作品との比較で言っていましたが、このシリーズは戦闘シーンとキャラの濃さで出来上がっています。当時と変わらぬ読み応えなので懐かしみたい方はご安心のうえご賞味ください。

 

2018年11月の読了本リスト

知的生活の設計」 堀正岳
ホモ・デウス 上下合本版  」 ユヴァル・ノア・ハラリ
TDL(東京ディズニーランド)大成功の真相」 ダグラス・リップ

「ホモ・デウス」にがっぷり四つだった11月です。

本書の内容は、10年後を見据えて知的生活(情報へ触れる)をどのように設計するか、という方法論の紹介です。理論的な説明に始まり、具体的なサービス名を挙げその使い方までしっかりと紹介しています。しかしページ数は多すぎずちょうどいいボリューム。読みやすくとっつきを良くするために、かなり文章を削ったのではないかと邪推します。

本書は、巷に溢れるビジネス書・ライフハック本とは一線を画します。 それは本書が10年という「中長期的な軌道」の設計を示す、というコンセプトで作られているからです。
ビジネス書・ライフハック本は、良くも悪くも、目の前の仕事や生活を何とかしようと思った際に読むことを想定しています。差し迫った問題に対処するのは、もちろん大事なことです。そしてそのための本が、現状でこれだけ書かれ読まれているのであるならば。本書のような「中長期」的に大切なことを考える本も、もっとたくさん出版され読まれてもいいのだと思います。

重要・緊急での時間管理のマトリックス(「7つの習慣」のスティーブン・R・コヴィー)に照らしあわせるなら、「重要だけれども緊急ではない」 第2領域の設計を扱おうとしているのが本書だと分類できるかもしれません。

 

本書はひとことで言うなら、起こりうる未来の提示と警鐘、です。

現在サピエンスの社会で起こっていること、過去のサピエンスの歴史を丁寧に説明し、その二つの材料から「不死、幸福、神性を目指す」未来を予測しています。そして、その未来がディストピアとなる可能性を示し、最後にまだディストピアは可能性の一つに過ぎず、回避も可能と述べています。
本書で展開される解説は前著「サピエンス全史」同様にエキサイティングで、本書で示されるディストピアに説得力を持たせます。


サピエンス全史でもそうなのですが、結論はシンプルなのです。結論に説得力を持たせるための、膨大な語りや説明の面白さにこそ、本書の真髄はあります。読んだふりをするだけなら上記の要約で十分です(よくはないのでしょうが)。自分で読んでみて、著者の語りに対し同意や反発を覚えてみるところに、やはり面白さがあるのだと思います。

例えば私自身は、人間至上主義の部分にはいくつか異論を覚えるところがあります。
「完全に単一の自己」「自由意志」が存在しないために、個人の価値は低下する、と著者は述べています。確かにそうなのでしょうが、この「個人の価値」とは、そもそもが西洋における「個人、個人主義」という概念です。

日本含む東洋的な文化圏でいう「個人」は、そこまで絶対的な独立性を持つものではなく、それが故に「個人の意味・価値」もそこまで大きなものではありません。だから実は個人に意味や価値がない、と言っても社会的なインパクトもない。その代わりに意味や価値がなくても、社会は十分に存在していけることの実例になると思うのです。


こんな感じで本書で紹介されているさまざまを味わい尽くす。そんながっぷり四つに組む面白さが味わえます。

 

東京ディズニーランド(TDL)建設までの裏話を、アメリカのディズニー社に当時所属していた著者が明かします。

タイトルに「大成功の真相」とありますが、TDLの成功分析の本ではありませんのでご留意ください。TDL誘致~開園までを、アメリカディズニー側の立場でみた資料の一つです。日本のオリエンタルランド側と資料内容を突き合わせたりすると、近代史検証として楽しそうです。

他にも、TDLという特殊性にこだわらず、「1970~80年代の東京での、日米合同のエンタメプロジェクト」の先駆け例として読んでも面白いです。コンテンツ内容にこだわるのが日本ではなくアメリカ側である、輸入コンテンツ例としてはいろいろ示唆がありそうですね。

 

2018年10月後半の読了本リスト

「ベーシック・インカム 国家は貧困問題を解決できるか」  原田泰
「自分の顔が好きですか?-「顔」の心理学」 山口真美
「世界の再生可能エネルギーと電力システム 電力システム編」 安田陽

今月のヒットは「ベーシック・インカム 国家は貧困問題を解決できるか」ですね。
どれもページ数は少なめですが、内容はかなり詰まった本でした。

かなりいろいろと考えることができる本でした。本書の主張をひとことでいうならば、「ベーシックインカムを通して、 日本政府が貧困問題(の一部)を解決することは現状で可能である」というものです。
ベーシックインカムが、再分配制度として効果が大きいものであること、そして現状の日本でも実現可能である検証が丁寧になされています。
個人的には、「貧困とはお金が足りないということであり、お金を配れば解決する」というのがぐっときました。著者の主張は、『貧困は「お金を配れば解決するもの」「お金を配っただけでは解決しないもの」の2つに分けられ、前者はベーシックインカム制度導入によって、極めて合理的に解決することができる』というものです。
実際の検証を行っていること、ベーシックインカムにつながる社会福祉制度を丁寧に概観している、質の高い新書でした。新書なので読みやすいですし、ぜひおすすめですね。

 

本書は、顔とその認識に関する最近の科学知見を紹介しています。
紹介される顔の認識、脳の働きに関する意外な知見は、大人にとっても十分目新しく面白いです。
本書で紹介されている「顔」に関する人間の特性を通じてわかるのは、「顔」は私たち読者やその身近な人とのコミュニケーションに深く関係している、ということ。私たちが当たり前だと思っている以上に影響を持っているということが説明されているのです。

本書がジュニア新書というレーベルからの出版であることにとても意義を感じます。岩波ジュニア新書は「中学生や高校生の学習に役立つサブテキスト」として、中高生にも読みやすく理解しやすいことを念頭に置いてつくられています。
もし思春期に、顔にコンプレックスを持ちそうになったり、顔が原因で身近な人とのコミュニケーションがうまくとれなくなりそうになったりしても。本書に出会うことでだいぶ楽になれるはずだ、という希望が本書に見て取れるのです。

 

世界の再生可能エネルギーと電力システム 電力システム編 安田陽
度仕組みをきちんと知りたく本書を購入しました。
9月の北海道胆振東部地震で北海道全域での大規模停電(ブラックアウト)が発生した際の報道もわかるはわかるのですが、少し納得いかないような気もしまして。

本書は題名に「再生可能エネルギー」とついていますが、メインはほぼ「電力システム」についての解説です。

”本書では全体的に日本・欧州・北米の世界の3つの地域の電力システムを比較しながら、できるだけ「外からの視点」で日本の電力システムを俯瞰的に再考していきたいと思います。”

著者がこう冒頭で書いているとおり、きっちり比較をしながら説明を進めていくので、理解しやすい入門書でした。