2018年10月後半の読了本リスト

「ベーシック・インカム 国家は貧困問題を解決できるか」  原田泰
「自分の顔が好きですか?-「顔」の心理学」 山口真美
「世界の再生可能エネルギーと電力システム 電力システム編」 安田陽

今月のヒットは「ベーシック・インカム 国家は貧困問題を解決できるか」ですね。
どれもページ数は少なめですが、内容はかなり詰まった本でした。

かなりいろいろと考えることができる本でした。本書の主張をひとことでいうならば、「ベーシックインカムを通して、 日本政府が貧困問題(の一部)を解決することは現状で可能である」というものです。
ベーシックインカムが、再分配制度として効果が大きいものであること、そして現状の日本でも実現可能である検証が丁寧になされています。
個人的には、「貧困とはお金が足りないということであり、お金を配れば解決する」というのがぐっときました。著者の主張は、『貧困は「お金を配れば解決するもの」「お金を配っただけでは解決しないもの」の2つに分けられ、前者はベーシックインカム制度導入によって、極めて合理的に解決することができる』というものです。
実際の検証を行っていること、ベーシックインカムにつながる社会福祉制度を丁寧に概観している、質の高い新書でした。新書なので読みやすいですし、ぜひおすすめですね。

 

本書は、顔とその認識に関する最近の科学知見を紹介しています。
紹介される顔の認識、脳の働きに関する意外な知見は、大人にとっても十分目新しく面白いです。
本書で紹介されている「顔」に関する人間の特性を通じてわかるのは、「顔」は私たち読者やその身近な人とのコミュニケーションに深く関係している、ということ。私たちが当たり前だと思っている以上に影響を持っているということが説明されているのです。

本書がジュニア新書というレーベルからの出版であることにとても意義を感じます。岩波ジュニア新書は「中学生や高校生の学習に役立つサブテキスト」として、中高生にも読みやすく理解しやすいことを念頭に置いてつくられています。
もし思春期に、顔にコンプレックスを持ちそうになったり、顔が原因で身近な人とのコミュニケーションがうまくとれなくなりそうになったりしても。本書に出会うことでだいぶ楽になれるはずだ、という希望が本書に見て取れるのです。

 

世界の再生可能エネルギーと電力システム 電力システム編 安田陽
度仕組みをきちんと知りたく本書を購入しました。
9月の北海道胆振東部地震で北海道全域での大規模停電(ブラックアウト)が発生した際の報道もわかるはわかるのですが、少し納得いかないような気もしまして。

本書は題名に「再生可能エネルギー」とついていますが、メインはほぼ「電力システム」についての解説です。

”本書では全体的に日本・欧州・北米の世界の3つの地域の電力システムを比較しながら、できるだけ「外からの視点」で日本の電力システムを俯瞰的に再考していきたいと思います。”

著者がこう冒頭で書いているとおり、きっちり比較をしながら説明を進めていくので、理解しやすい入門書でした。

【2018/12/11まで】Kindleセールのおすすめ本、今回買った本

冬の Kindle 本セール(2018/12/11まで)
幻冬舎新書フェア【全品399円セール】(2018/12/13まで)

上記セール本一覧にざっくり目を通した結果を残しておきます。「私が読んだことのあるおすすめ本」7冊と「今回私が買った本」1冊、どれも最低50%オフなので結構お得。

【読んだことのあるおすすめ本】

インターネットや流通網が発達しても、どこに住むかで生活がかなり変わってくる。イノベーションの起こっている「場所」(=都市)にいることの重要性をきちんと説明している本です。当たり前といえば当たり前なんですが、根拠のある主張や議論をするための前提として、押さえておきたいところです。300ページ超えてる本なので Kindle 推奨。

 

データから予測を立てるとはどういうことか、という基本がわかる本です。出版は2013年と少し前ですが、データ予測がより身近になっている今だからこそ押さえておきたい本だと思います。ハードカバーでかなり重いので、 Kindle 推奨。

 

原題「Salt,Sugar,Fat」。現代の食品に塩と砂糖と脂肪がどのように使われているか、その結果現代の食品がひどく食欲を誘発するということ、これらが克明に描かれています。
アメリカ食品市場が舞台ですが、日本もそれほど変わりません。食生活が気になったり、ジャンクな食べ物が好きなかたは、本書を読むとかなりの恐怖体験ができます。(私はしました…)

 

これも「おもしろいけど実例満載で重い」のでkindle推奨です。コンテナがいかに物流にとって大事なのか、そして港湾整備がどれだけ生活にとって重要なのかがわかります。表紙が地味で標題も地味ですがとても面白かった。10年以上前の本ですが、ハードインフラの話なのでそんなに古びていないかと。

 

ここまでの4冊はいずれも「おもしろいけどページ数が多くて重い本」。重い本はやっぱりKindle推奨ですね。

 

北海道電力のブラックアウトがあったので、 一度仕組みをきちんと知りたく買いました(10月後半に読了)。500円程度(セール価格)で専門家が概要を分かりやすく説明してくれる、コストパフォーマンスの高い本です。

 

 

読み応えがあるきちんとした内容ですが、途中で諦めたくならないくらいやさしい説明と文章です。専門家でない読者に配慮しているまさに新書の鑑ですね。
2013年のノーベル賞物理学賞でヒッグス粒子が話題になり、この2冊を買いましたがすごく良かったです。 幻冬舎新書は、原則著者買いするレーベルだと認識しています。

 

 

【今回買った本】

著者買いしました。著者は昆虫学者で、「夏休み子ども科学電話相談」の虫分野担当をしていたり、2018年夏に開催された「昆虫展」(国立科学博物館)の監修もしています。カラー版新書400円って安いですよね。