2018年9月の読了本リスト

『ワークデザイン 行動経済学でジェンダー格差を克服する』
イリス・ボネット
『人工知能と経済の未来』  井上智洋
『予定通り進まないプロジェクトの進め方』 前田考歩、後藤洋平
『地層のきほん』 目代邦康、笹岡美穂
『入門者のExcel VBA』  立山秀利

9月、ちょっと読書をさぼり気味でした。読んだ本のヒット率は高かったんですけどねぇ。

 

解説者買いです。NHK「オイコノミア」にもご出演されていた大竹先生が紹介されていたので購入しました。
やはりこの手の欧米系書籍に違わず厚い本ですが、具体例などがふんだんに盛り込まれているためのページの多さであり、内容自体はとてもわかりやすいです。
「企業のダイバーシティ研修は、効果がないか、逆効果になっている」など、会社員の私からすると、ドキッとするような例がたくさん載っています。
具体的なアドバイスはアメリカの慣行をベースにして語られています。しかし行動経済学の観点からの原理原則がきちんと説明されているので、日本やその他アメリカと異なる慣行の地域でも本書のアドバイスを活用することは十分に可能です。
普段自分が所属している組織の構造に、いかにジェンダー格差が当たり前のように埋め込まれているのか。それに気づく機会が得られるというだけでも、本書を読んだ甲斐が十分にあったと感じます。

 

中島聡さんのメールマガジン『週刊 Life is beautiful』で紹介されており、興味を持ったので購入しました。
人工知能は最近とてもポピュラーな話題で、たくさん本も出ていますが、本書はその中でもはっきりとした特徴を持っています。
著者の専門がマクロ経済学であり「人工知能に少し詳しいマクロ経済学者が、人工知能が経済におよぼすインパクトを語る」ものとなっている、ということです。
前半は人工知能の現状と今後の予測発展の説明、後半はその人工知能の発展に伴う経済・雇用の変化を説明しています。人工知能に詳しい方は前半をある程度飛ばし読みして、後半に早くたどり着いた方が面白いのかもしれません。

確かによくよく考えてみれば、(私のような)エンジニアでない人間にとっては、人工知能そのものよりも、人工知能により経済や社会がどう変わるのか、のほうがよほど興味をひかれる内容です。本書はその中でも、人工知能が発展・普及したら雇用はどうなるのか、その対応として何がありうるのか、を紹介しています。
本書の主張を簡単に言ってしまうと、「2045年頃には汎用人工知能の普及が予測され、それにより雇用率が激減する。対応策としてベーシック・インカムの導入が現実的」というものです。
ベーシック・インカムの必要性をAI普及による雇用の変化の解決案として出してくるのも面白いですが、そこに至るまでの説明が丁寧で納得できるところが本書の面白いところ。新書なので肩ひじ張らずに読めるのもよかったです。

 

ビジネス書らしいタイトルと書影、そして読みやすさの本ですが、予想を上回る面白さでした。
本書の面白い部分は、プロジェクトの進め方として「プ譜(プロジェクト譜面)」を書く、という具体的な方法を提案している点です。
詳細は本書で見てほしいのですが、かなり実用的であります。
また、本書が対象としているプロジェクトは、システム開発に限りません。

”「未知」を「既知」に変換していく行為。 ノウハウや知識の不足。 有限なお金と時間。
この三要素を満たしていれば、それはすなわちプロジェクトなのであり、
その当事者であるあなたは、望むと望まざるとにかかわらず、プロジェクトマネージャなのです”

本書のこの定義に従うと、「プロジェクト」として認識されるものはかなり広がるはず。私はさっそく仕事のプロジェクトで「プ譜」を書いてみました。今後どう使っていけるのかが楽しみです。

 

NHK「ブラタモリ」が好きで結構観ているのですが、地層に関してはあまり知識がないため、ちょっと買ってみました。カラー見開きで見やすい本です。読み通しはしたものの、全部頭に入ったわけでもないので、今後辞書的にときどき読み返していきたいですね。

 

仕事でVBAを使いたくなったので、自学自習のために購入しました。
実際にVBAを書きながら動かしていけるというのと、自分で調べて進んでいくためのまさに「初めての人にベスト」になるように丁寧に書かれているので、本書を最初に手に取れたのはひとまず良かったと思います。今後続編にあたる『脱初心者のExcel VBA~』などを読んでいけるかは、自分のVBA習熟度次第ですね!

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