【2019/5/9まで】Kindleセールのおすすめ本

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上記セール対象書籍での「私が読んだことのあるおすすめ本」9冊をご紹介します。40%以上OFFセール、もしくは50%ポイント還元ですね。お得。
ちなみに文章は過去エントリからの再掲分も含みますのでご了承ください。


実践 行動経済学 リチャード・セイラー、キャス・サンスティーン

ナッジ(ひじで軽くつつくこと)による、望ましい行動の後押しの促進について、アメリカでの実例を踏まえて解説しています。著者のひとりリチャード・セイラーは2017年にノーベル経済学賞を受賞しており、そのときにも本書は話題になりました。
社会政策での実例なので、行動経済学の理論を知らなくても読みやすいと思います。厚めのハードカバーで読むのは(本が重くて)大変なので、Kindle推奨です。


イノベーターのジレンマの経済学的解明 伊神 満

これも面白かったです。数式を使わないなど、一般教養・読み物として読みやすいように書かれているので、ぜひこの機会に。


人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊  井上智洋

中島聡さんのメールマガジン『週刊 Life is beautiful』で紹介されており、興味を持ちました。人工知能は最近ポピュラーな話題ですが、本書ははっきりとした特徴を持っています。
それは、著者の専門がマクロ経済学であり「人工知能に少し詳しいマクロ経済学者が、人工知能が経済におよぼすインパクトを語る」ものとなっている、ということです。
前半は人工知能の現状と今後の予測発展の説明、後半はその人工知能の発展に伴う経済・雇用の変化を説明しています。人工知能に詳しい方は前半をある程度飛ばし読みして、後半に早くたどり着いた方が面白いのかもしれません。

本書後半で語られる、人工知能が発展・普及したら雇用はどうなるのか、その対応として何がありうるのか、というテーマは、(私のような)エンジニアでない人間にとっては最も気になるところです。
著者の主張は「2045年頃には汎用人工知能の普及が予測され、それにより雇用率が激減する。対応策としてベーシック・インカムの導入が現実的」というものです。
ベーシック・インカムの必要性をAI普及による雇用の変化の解決案として出してくるのも面白いですが、そこに至るまでの説明が丁寧で納得できるところが本書の面白いところ。新書なので肩ひじ張らずに読めるのもよかったです。

 


ビジネスモデル2.0図鑑 近藤哲朗

出版が2018年11月ですね。ビジネスモデルのリファレンス用図鑑です。(図鑑なので自宅においてパラパラみるイメージ)
見開き1ページで1企業(ビジネスモデル)を紹介しており、本書を眺めるだけで面白いビジネスモデルを持っている企業を100知ることができます。利用してみたいなと思うサービスもたくさんありました。

他にも本書ではビジネスモデル図の切り口として「ソーシャル、ビジネス、クリエイティブ」という3つの観点を使うことや、具体的な図の作成ルールが丁寧に説明されています。本書内のビジネスモデルを読む手引きだけではなく、読者が今後自分で本書にあるようなビジネスモデル図を作成することができるようになっています。
図鑑として眺めるもよし、ビジネスモデルを作成して生かすもよし、応用方法がたくさんあり多くの方におすすめしたい本です。


共働き夫婦 お金の教科書 山崎俊輔

「共働きスタイルの夫婦が増えているのに、共働きの夫婦のためのお金のルールをまとめた本がない、ということが常々気になっていました」という本書紹介コメントにとても共感しました(我が家は共働きです)。
家計に関する書籍・雑誌・ネット記事でも、共働きに特化したマネープランというのはあまり見たことがなく、興味を惹かれました。社会制度上かなり専業主婦(夫)家庭とは異なるところが多いのをきちんと解説しておりとてもありがたいです。
特に印象に残ったのは、自身も共働き夫婦である著者が、同じ共働き夫婦にエールを送るようなトーンで本書を書いているのだな、ということでした。
「厚生年金と退職金など、最後にメリットがたくさんあるので、育児期の大変な時期を頑張って乗り切ろう」と、保活や育児オペレーション分担などについても述べているので、マネープランだけではなく家事育児含むライフプランとしてとても参考になりました。

 


中国化する日本 増補版 日中「文明の衝突」一千年史 與那覇潤

タイトルからはもしやトンデモ本かと思いきや、日本史学者による面白解説本です。
論文であったり、学説となるまでの緻密な議論を行っている本ではありませんが、それゆえ楽しく読みやすくなっています。歴史学からは、様々な現代社会を読み解く材料を得ることができることがわかる本です。

 


知性は死なない 平成の鬱をこえて 與那覇潤

大学教授であり「中国化する日本」で話題にもなった著者。その著者のうつ病経過に関する本ということで、なんとなく心配をしつつ手に取りました。
前半の、うつ病の症状、社会がうつ病にたいして持っている偏見に関する部分は、著者がうつ病患者として体験したことであり、とてもリアリティがありました。偏見には自分でも思い当たる節があり反省する次第です。

著者は、自分に起きたうつ病の経過で、 能力が低下し、能力低下を自覚し、自分には価値がないと思うことで生きる気力が失われる、と述べていました。確かにもし、自分の価値だと思っている能力が失われていく、という体験をしたら…。自分自身の価値そのものが失われていくような、強烈な喪失感に襲われて、生きる気力が失われるというのもわかるような気がします。

後半は、 知性の象徴である大学の中で著者が見聞きした、知性の敗北と呼ばざるを得ない様々な事例、世界で知性主義が敗北してきたという近代20世紀の歴史を挙げて、知性の敗北とこれからの展望について語っています。
著者が勤めていた大学での様々な事例は、大学にある程度の敬意を払っていた私にとっては相当にショッキングでした。社会全体で知性が敗北する趨勢にあるなかで、大学も例外ではないことが、内側から暴露されてしまったわけで。
ただ、大学を退職した著者が、大学の外にも知性ある対話ができる場がある、と理論や希望的観測だけでなく、自らの経験に基づいて最後に述べてくれています。それが、著者ご本人と、この知性の敗北した社会で生きていく私たち、両方にとってのパンドラの箱に残った希望のように感じます。

 

【以前にも紹介した本】
ここからは以前にもKindleセール本紹介エントリでご紹介した本。文章は再掲です。


コンテナ物語[Kindle版] マルク・レビンソン

これも「おもしろいけど実例満載で重い」のでkindle推奨です。コンテナがいかに物流にとって大事なのか、そして港湾整備がどれだけ生活にとって重要なのかがわかります。表紙が地味で標題も地味ですがとても面白かった。10年以上前の本ですが、ハードインフラの話なのでそんなに古びていません。


フードトラップ 食品に仕掛けられた至福の罠[Kindle版]

原題「Salt,Sugar,Fat」。現代の食品に塩と砂糖と脂肪がどのように使われているか、その結果現代の食品がひどく食欲を誘発するということ、これらが克明に描かれています。
アメリカ食品市場が舞台ですが、日本もそれほど変わりません。食生活が気になったり、ジャンクな食べ物が好きなかたは、本書を読むとかなりの恐怖体験ができます。(私はしました…)

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